効率と非効率(間違いが増えるからスピードは上げないほうがいいのか)

最終更新:2019年11月11日

効率(こうりつ)。
効率良くしなさい、の効率です。

たとえば、歯磨きするのに

 コップ:リビング
 歯ブラシ:ベッドの上
 歯磨きする場所:洗面所

だと効率悪いです。
洗面所にコップも歯ブラシも置いてあるから効率がいいんだよね。
じゃあ勉強だとなんだろう。

問題を解くときに「もっと効率良くやりなよ」なんて言われたことある人もいると思います。
でも、効率良く(つまりスピードを上げると)ケアレスミスは余計に増えてしまう気もします。

 効率と非効率。
 スピードと安全。

どっちをどのくらい優先すべきなのか。
このページではそういう話をします。


ーーーーーー


結論から言うと、効率は大切です。

「本当の楽ってなに?」っていうページで、数学の計算についての話をしていました。



計算の行を飛ばして書く人は、行と行のあいだでペンを止めて、
「頭の中でいーっぱい考えてる」ということです。

 移行したら符号が変わってそんでひき算したらえっと・・・

その処理が追いつかなくて、たいていケアレスミスをします。

行をたくさん書くほうがペンが止まらない。
「頭で考える量が少ない」からです。
最終的な見た目は多そうに見えるけど、やってる最中は手が止まりません。

手が止まらないということはつまり、スピード感があるということ。
スピード感があるということは、無駄がないということ。
無駄がないということは、理解できているということです。

自転車のことを考えると分かります。
自転車をふらふらして乗ってる人は、まだ慣れてない人だよね。
「自転車に乗ってる」ことで頭がいっぱいです。
でも、スーッて安定して乗れる人は、周りの景色を見る余裕だってあります。
「自転車に乗ってる」ということすら意識しないよね。

計算は、基本の基本です。
球技で言えば「球を投げる」「蹴る」ではなく、「走る」のレベル。
サッカーをしながら「走り方」について考える人にはサッカーはできません。
「走る」ことは意識せず、プレイに集中するべきだよね。

数学で例えると、サッカーは文章題、走ることは計算です。
文章題を解くときに、計算について考えてる場合じゃない。
当たり前のように、いつもどおりの安定したスピードで解く必要があります。
スーッと走れるようにすること。
そのために、無駄がなく、理解ができているということ。
これが僕の思う「効率」です。

乗ることを意識しないで自転車に乗れるように、
走ることを意識しないで球技ができるように、
解いてることを意識しないで、
スピード感のある解き方をできるようにするのが、効率。

乗ることや走ることを意識してる人は、たぶん自転車や球技が上手じゃないよね。
計算もそうです。スピード感がない人は、意外と間違えます。

スピードと安全は「逆じゃない」ということ。
ある程度のスピードが、安全、安定には必要。
(自転車をイメージしてね)


ーーーーーー


ただし、効率は求めすぎると失敗します。

自転車も、ある程度のスピードなら安定感があるけど、
ふんばってふんばってすっごく速くしたら景色を見てる場合じゃなくなります。
わーーー!やばいやばいやばい!ってなるはずです。

急な下り坂のときでもそうだよね。
どのくらいブレーキをしたらいいか、車や人は飛び出してこないか。
頭の中がそのことばかりでいっぱいになる。
自転車に乗ってることだけで頭がいっぱい。
他のことは考えられなくなる。

だから、効率は「ある程度」でいいです。
スピード感は大切だけど、上げればいいってもんじゃない。

効率が大切なんじゃなくて、「効率を意識すること」が大切です。


ーーーーーー


そして、非効率が悪いわけでもないです。
非効率とは、言いかえれば「無駄」のこと。

たとえば、本を買うときにネットで買うのと本屋で買うのは、
ネットのほうが便利で効率的です。
「自分」と「買いたい本」を結ぶと直線的になる。


 自分→買いたい本


でも本屋に行けば、興味なかった本とか、自分では検索できなかった本に目が行ったりします。
これは非効率だし無駄だよね。
でも、その代わり、予想ができない出会いもあるはずです。


   ↗興味なかった本
 自分→買いたい本
   ↘検索できなかった本


他にも、紙の辞書よりも電子辞書のほうが効率的で楽です。
ぼくも電子辞書や、今はスマホもよく使います。
でも紙の辞書は、調べた単語以外の横にある単語に目がいくこともあるよね。
そういう無駄に思える知識のほうが、なぜか忘れられなかったりするんです。

車や電車より歩くほうが非効率。
だけど歩くといろんなモノや音に目や耳がいく。
こういう無駄は、本当の意味では無駄ではないかもしれないよね。

効率だけを求めて、効率化だけを良しとすると、
必ずなにかを排除することになるからとっても危険です。

つまり、効率も非効率も大切ということ。
勉強するうえでは、効率、スピード感が理解度と比例してるから、
「ある程度は」意識しといたほうがいいよ、という話でした。


ーーーーーー


【具体的なアドバイス】


例えば、英語を書くのが異様に遅い人いない?
それは「ノロノロと自転車に乗ってる状態」です。
その状態で「現在完了が」とか「不定詞が」とか言われても頭に入るはずないんです。
だから、書くの遅い人は、2週間「ただ速く書くだけの練習」をしてみてください。
このサイトの「総復習のための英文稽古一覧」でいいです。
目安は「一般動詞なら5分以内」と「手が止まらないこと」。
まずは英語を書くことに慣れよう。考えるのはそこからだ。

数学なら計算です。
計算が遅い人、そして計算ミスがいまだに減らない人は、100マス計算をしよう。
たし算だけでいいです。
詳しくは下のページにあるからやってみようね。



最初の目標は2分を切ること。
できれば1分30秒を切れると、計算力はだいぶ落ち着くはずです。

ワークの使い方なんかに書いた勉強方法、これも効率的な方法です。
勉強、特にテスト前の勉強にはある程度の効率は必要。




効率と非効率のこと、考えて暮らしてみようね。
ぜひ、どっちも大切だと思えるようになってください。


 勉強できようサイトもくじ




by dekiyosite | 2019-11-11 14:04 | 雑談