本の選び方



前のページで本を読む理由について話しました。
自分のためとか読書感想文のためとか言われるけど、
結局おもしろいからじゃん、っていうのが個人的な結論です。

本読んでみようかなって思った人がいてくれたらうれしい。
だけど本を読まなかった人には、どの本を手にとったらいいかとか、
そもそも本の種類が多すぎて何がなんだかわからないとか、
まだ分からないことがあります。本屋にも慣れてないからね。
分からないせいでせっかくのやる気がなくならないように、
基本的なことからちょっと教えておきます。


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まずは本の種類を紹介します。
文庫本とか新書とか言われてもよくわからなかったら読んでください。
知ってたら飛ばしてもいいよ。


○文庫本(ぶんこぼん)

 本屋に行ったら、文庫コーナーに行ってください。
 それが文庫です。笑
 
 小さくて軽くて安め。
 これが文庫の特徴です。

 小説が多いけど、
 エッセイ(すっごく簡単に言うと日記みたいなもの)とか、
 科学モノ、雑学モノ、他のも結構あります。

 小説などの新刊って「単行本」といって、
 大きくて重くて高めのやつで発売されるんだけど、
 その発行から3年くらい経つと文庫本になります。
 だから文庫には本当の新刊はあまりありません。

 でも小さくて軽くて安いので、
 手に取りやすいです。


○単行本(たんこうぼん)

 いわゆる「新刊」は単行本で出ます。
 ハードカバーってやつだね。硬くて大きくて値段も高めです。
 本が苦手な人は、今のところ単行本は無視していいです。

 3年くらい経つとだいたい文庫本(安くて軽い)になるんだけど、
 文庫本が出た後でもハードカバーの方を好んで買う人もいます。
 いろんな好みの人がいるんだよねー。


○新書(しんしょ)

 新書のコーナーに行ってください。
 それが新書です。笑

 新書は文庫とは内容の傾向が違います。
 小説とかのフィクション(架空のもの)はほとんどなくて、
 考えや知識、アイディアを広めるために書かれています。
 (フィクションじゃない(ノン)だからノンフィクションって言うんだよ)

 教育の話とか、歴史の話、病気の話、
 日本語、数学、論理的思考、人づきあいの仕方とか、
 まあコーナーに行ってみればわかります。
 興味を引くおもしろそうなタイトルが結構あります。
 (興味を引かせようとしてタイトルを付けてるからね)
 大きさは文庫よりもちょっと縦長。でも軽い。
 値段は文庫より200円くらい高め。かな?

 わからないことがあったときは、
 ネットで検索すれば確かに答えを知ることができます。
 でもこういうのを「点」っていうんです。
 ポツンと存在する、点の知識。

 だけど新書みたいな本で知識に触れれば、
 その知識はページの分だけ「面」になっていきます。
 忘れにくいし、応用がききやすくなります。
 前のページで紹介した動画にはそういう話も出てきます。


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さあ、本の形態がわかったところでいよいよ本の選び方です。
読書感想文でどうしても本を読まなきゃいけないもんね。

(あとがきを見て書いてもいいです。俺もやったことある。
 その頃は本がおもしろいって知らなかったもんなー。
 それに読まないで文章を膨らませるのも意外と大変で、時間がかかります。
 どうせ時間使うんだから、
 2時間くらいで読める薄めの本でもいいから、
 何か選んでみるといいです。
 読書感想文のコツを読めば、書けそうな気がすると思うよ)

図書館に行くのもいいです。
だけど本屋に行くと、今何が売れていて、
何に世間が興味があるのかもわかるから、
買わなくても、とりあえず行ってみるのがいいです。
1冊だけ自分で選んでみるからその分だけお小遣いちょうだい!
と家族にお願いするのもいいと思います。
自分で買うと、よりいろいろわかります。

さて、本屋に来ました。
とりあえず文庫コーナーに行ってみようか。
一生懸命見なくていいです。ぱらーって見る。
店員さんのPOP(おすすめコメント)とか、
帯(本に巻いてあるやつ)とかを参考にするのもいいです。
おもしろそうなのあったら覚えておいてね。
ぱらーっと見てるだけで、ちょっとだけ気になるの、
1冊くらいはあったでしょ。

そのあと新書コーナー行ってみようか。
結構おもしろそうなタイトルがあります。
確かに文庫本とは雰囲気が違うよね。
ろこつに興味を引かせようとするタイトルも結構あります。

あとね、「ビジネス書」のコーナーもおもしろいよ。
ビジネスって学生には関係ないと思うかもしれないけど、
「グループでうまくやっていくためには」とか「リーダー論」とかは、
例えば部活とかクラスや家族の中で、
どうして上手くいかないんだろうと思っている人のヒントにもなります。
こういうコーナーを見てるだけで、
大人とか社長とかも結構迷ってるんだなーって知れるよ。
セブンイレブン、ローソン、ユニクロ、無印良品なんかの、
成功の仕組みを書いた本なんかもあります。
そのお店が大好きな人なら、おもしろいかも。

さあ。
まだ元気だったら、新刊の単行本コーナーも見てみようか。
だけど、見なくてもいい。
この時点で、もう見つかってるでしょ。
少なくても1冊はおもしろそうかもと思った本があるはずです。
絶対あるはず。

今このページを部屋で見てるなら、
そんなはずない、本とか嫌いだしって思うかもしれない。
だけど、実際に本屋で見てみたら、絶対に1冊はあります。
その本を、買ってみて。

本を書いた人は、
名前も顔も知らない人たちに本を書いたんです。
手に取ってあげるかどうかは君たち次第。

難しそうかな・・とかはあまり気にしなくていいです。
おもしろそう!って思ったら「買い」。
クレヨンしんちゃんだって大人になってから読めば、
小さい頃は気づかなかったこととかたくさんあるんだよ。
だけど小さい頃は気づかないままでも楽しく読めたりできるじゃん。
その本の全部を、1回で分かろうなんてそもそも甘い。
だから、少しくらい分からなくても、
楽しそうだな、おもしろそうだなって思えることの方が大切です。


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これが、僕が思う本の選び方です。
たぶん思ったのとちがったでしょ。

 本を読むのは、自分のためになるから。
 本の選び方は、自分のためになりそうなもの。

そう言われることが多いです。
そう言われることが多いから、みんなやになっちゃう。
宿題とかも、やれっていわれるから嫌なんだもん。
自分のためだぞ、って、なんか押し付けがましいもんね。
うるせえよって感じです。

だけど、本を読むのは、おもしろいからです。
だから、本の選び方は、おもしろそうなのを選ぶ、です。


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だからおすすめの本は紹介しないつもりです。
だって、自分で見つけた喜びって、すごくあるんだもん。
まるで世界で(そんなことないんだけどそれでも)、
自分だけが発見したような気持ちにもなります。
だからぜひ本屋に行ってみてほしいです。
1冊だけ見つければいいんです。

でも、どーしても本がいやだ!苦手!
読書感想文書かなきゃいけないから仕方ないけど、やだ!
という人のために、しょうがないから少しおすすめ。

① 映画を見てから読む方法

 本が好きな人は、「映画→本」の順番よりも
 「本→映画」の順番が好きな人が多いです。

 だけど、本がどうしても苦手なら、
 映画を見て、話を知ってから本を読むと読みやすいはずです。

 本がつまらないと大変なので、
 「あのベストセラーが映画化!」みたいな映画にしておくと
 本がおもしろい可能性が高いかもしれません。
 (ベストセラー:売れた本のことです)

 僕のおすすめをふたつ。

 アヒルと鴨のコインロッカー
 前のページで名前が出た伊坂幸太郎さんの小説です。
 映像化不可能と思われてた小説の映画化。
 作者の伊坂さん自身も、
 この映画の出来はうれしかったみたいです。
 ただ、小説の分量がちょっと多めなので、
 長いのはあまり読みたくない人は(おもしろいからもったいないけど!)
 同監督のポテチもいいと思います。
 これはフィッシュストーリーという本の中の短編の1つなので、
 短いし読みやすくて、しかもおもしろいです。

 博士の愛した数式
 素因数分解のページでも紹介した映画。
 勉強のサイトだから数学なんだろ?って思われるかもしれないけど、
 この本は第1回の本屋大賞も取った名作なんです。
 映画もほんとにすばらしかった。
 この映画、数学嫌いでも全然観れると思います。
 しかもちょっとだけ数学が好きになるから、お得だよ。


② 好きな芸人さんの本を読む

 芸人じゃなくてもいいんだけどね、
 芸人が書いた本はやっぱりおもしろいです。

 劇団ひとりさん「そのノブは心の扉」
 こういう本をエッセイといいます。
 これ、めちゃくちゃおすすめです。
 もーとにかくおもしろいから。
 無償の愛ってなんだろう。
 人や動物を愛すと、どうしても見返りを求めてしまう。
 じゃあ、この石を愛してみよう。
 それができたら無償の愛だ!
 という話から始まるエッセイです。
 中でも「催眠療法」の話は、読んで爆笑しました。
 読書感想文で、小説しかだめよともし言われていたら、
 劇団ひとりさんが書いた陰日向に咲くもおもしろいです。

 バカリズムさん「架空OL日記」
 これ、かなり異質な本で、
 バカリズムさんが今のように爆発的に売れる前に、
 ブログでOLに「なりきって」書いていた文章です。
 これを日々、カタカタと更新していたバカリズムさんに
 恐れすら感じます。

 さくらももこさん「ひとりずもう」
 さくらさんもは芸人じゃないけどね。
 簡単に言うと「ちびまる子ちゃん」の続編。
 さくらさんの中学生高校生のときの自伝エッセイです。
 胸が大きくなるのが嫌でずっとうつ伏せで寝たり、
 急に男子が嫌いになったり、
 みんなが恋にはしゃいでるのに1人ぐーたらしてたり。
 友達同士では意外と話さないことを、
 さくらさんが正直に書いてくれています。
 そしてぐーたらしてたさくらさんがどうして漫画家を目指していくか。
 ひとりずもうはこのエッセイの後に漫画化されました。


こんな感じかな。

本の買い方は、人それぞれです。
ジャケ買い(表紙の雰囲気だけで買うのを決めること)してもいいし、
帯とか、裏の説明を読んで決めてもいいしね。
僕の妹は、そういう説明は一切読まずに、
立ち読みしてみて気付いたら5〜10ページ読んじゃってた!
っていう本を買う方法らしいです。


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少し話がそれてしまうけど、
100分de名著という番組を紹介をしておきます。
「アンネの日記」「ファーブル昆虫記」
「おくのほそ道」といった、
聞いたことはあるけど難しそうな本を取り上げて、
25分×4回(1ヵ月)で解説してくれる番組です。

読んだことない人の代表として
伊集院光さんが出てくれているから難易度は高くありません。
有名な本にはそれなりの理由があることが分かってきます。


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ぜひ本屋に行ってみてほしいな。
行くだけで楽しくなるといいです。

本が大大大好きな人は、本屋にいくと、
「一生かかってもこの本を読みきれないのか・・」
と思って絶望することもあるそうです。
何かを好きな力ってすごいね。
そこまでにはならないとしても、
君が自分で選んだ1冊がきっとおもしろいものだといいなと思います。
万が一つまらなくても、また本屋でリベンジすればいいんです。

火花で芥川賞を受賞したピースの又吉さんが、
その受賞会見でこんなことを言っています。

 面白い小説がほんまにたくさんあるんで。
 僕の小説読んで全然合わない人も、
 他の人の小説で、おもしろくてなんか書きたいとかなる人もいると思うんで。
 僕の読んで合わへんかったから小説読むのやめようってジャッジしないでほしいというか。
 1人目で読んでいただけるのはうれしいですけど、そうっすね。
 100冊。読んだら、僕、絶対本を好きになると思うんですよね。
 最初2、3冊のときなんか難しくてちょっとわからんやつもあるんですけど、
 100冊読んだら絶対好きになると思うんで。
 そこまで、あのー、頑張ってもらいたいですね。
 (途中少し省略しています)

本が好きな人の言葉だなって感じがするよね。

さあ。以上です。本屋に行ってみよう。
無事に本が読めたら「作文・読書感想文のコツ」を使って、
ぜひ、おもしろい作文書いてみてね。
おもしろく書けたらメールで見せてね。






by dekiyosite | 2015-08-09 04:33 | 雑談