こんにちは!
このサイトは勉強のサイトです。
テスト前なんかに読んでくれてる人も多いよね。
勉強でもなんでも、頑張ろうとすると「眠ること」について悩むものです。
寝ないで勉強すれば猛烈に眠いし、寝てしまえば勉強できないし・・。
もう!ずっと眠くならなかったらいいのに!みたいなね。
僕もずっと悩んでいました。
答えというわけではないけど、参考になった本の内容を皆さんにも紹介します。
うまく使ってみてください。
後半ではやる気に関するお話もします。
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紹介するのは「海馬ー脳は疲れないー」という本です。
この本は脳研究者の池谷裕二(いけがやゆうじ)さんと、ほぼ日刊イトイ新聞の糸井重里(いといしげさと)さんの対談本です。
こういう本はだいたい単行本(大きめの本)だけで出版されるのですが、時々人気な本が文庫化(小さい本)されます。
この本も文庫化されたうちの一冊。つまりおそらく人気本です。
(文庫って何?って人には「
本の選び方」というページに説明があります)
脳トレだとか、脳を鍛えましょうってテレビなどでよく流れているよね。
だけどこの本は冒頭で「30歳を過ぎてから頭は爆発的によくなる」って書いています。
老化を脅すような書き方じゃなくて、年を重ねるって面白そうだぞって思わせてくれる本です。
ちなみに海馬(かいば)というのは、脳の中の記憶をつかさどっている場所のこと。
この本に睡眠について書いている箇所があります。
眠っているあいだに海馬が情報を整理することをレミネセンスといいます。
たとえばずっと勉強していて「わからなかったなぁ」と思っていたのに、ある時急にわかる場合がありませんか?
それはレミネセンスが作用している場合が多いのです。
ピアノの練習をいくらしても弾けなかった曲を、次の日にすらすらできてしまったり。
(海馬(新潮文庫), p.217)
こういう経験ないですか?
縄跳びの二重跳びを練習してたら次の日急にできるようになったり、数学の問題が突然次の日分かるようになったり、リフティング目標20回が寝て起きただけで楽々クリアできるようになってたり。
この本によると、これは寝ている間に脳(海馬)が勝手に記憶を整理してくれているからだそうです。
つまり「寝るだけ」でいいっていうこと。
寝るということ自体にとんでもない効果があるということ。
このレミネセンスを生かすには、「眠る前に一通りやっておくといい」とも書いてあります。
当たり前だけど、何もやってなければ整理もしてくれないよね。
ちょっとだけでもやっておくと、眠るだけで勝手に整理してくれるんです。
例①
ややこしいミーティング資料が配布されました。
難しいから明日(当日)読めばいいや、ではなく、今日(前日)のうちに軽く読んでおく。
一応目を通したけど難しかったなと思ってやめる。寝る。
海馬が記憶を整理してくれるので、次の日結構理解した状態でスタートできる。
例②
数学の難しそうな問題があります。
明日1日でやろうではなく、今日のうちに軽く解いておく。
うわーむずかしーって思ってやめる。寝る。
海馬が記憶を整理してくれるので、次の日ちょっと分かる。
難しいと思うものほど、その日のうちに「ちょっとでもやっておく」といいということです。
これは僕もかなり活用しました。
はじめからその効果ありきで練習するんです。
実例①
ある日ピアノの練習で、新しい音階練習に入りました。
今までだったら出来るようになるまでずっとやっていたと思います。
でも「あ、やっぱ難しいや」って思うだけでいいからやってみる。
時間にすると3分くらい。そんでその日は終わりにしちゃう。
それだけで次の日やるとちょっとできるようになってるの。
ずっと練習するより時間もストレスも全然少ない。
たしかに海馬すげー!って思いました。
おしまい。
つまり英単語の暗記をするなら。
明日20個まとめて覚えよう!じゃないよということね。
今日のうちに(かーるくでいいから)その20個を見ておく。そんで寝ちゃう。
それだけで暗記がだいぶ楽になるよということです。
睡眠に相当の効果があるんだから、それに任せちゃおう。
適当な感じがするかもしれないけど、がむしゃらに頑張ることだけがえらいことじゃないからね。
うまく睡眠を使って、楽をしよう。
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睡眠が記憶を整理をしてくれるってことは、それ相応の時間が必要そうです。
睡眠時間は最低でも六時間ぐらいは要ると言われています。
もちろん個人差はあるのですが、六時間以下の睡眠だと脳の成績がすごく落ちるということは、ここ二年くらいのあいだに科学的な証明がなされました。
(海馬(新潮文庫), p.215)
こういうふうなことも書いてあります(ちなみにこの本は2005年発行)。
短い睡眠で大丈夫な人に僕もかなり憧れて、実践するたびに失敗しました。
これから3時間睡眠にしてみよう→最初だけうまくいく→昼にはもう眠い→夕方から夜まで相当寝ちゃう→朝まで眠れない
この失敗を何百回とやりました。昼夜逆転の連続。向いてなかったんだね。
別の本には「6時間睡眠みたいに短い睡眠をしていると」という記述があって、え?と驚きました。
それまでは睡眠時間は長くても6時間までにしたいと思っていました。
なのにその本には6時間睡眠では短いと、当然のように書いてあったからです。
6時間でも短いのに、それ以上短くしようとしてたらそりゃあだめだわな、とその時知りました。
それから寝る時間を早めて、7時間半とか8時間の睡眠をなるべく取るようにしてから、生活はだいぶ変わりました。
日中眠くなることが減ったし、同じ生活リズムで生活できるようになっていきました。
生活リズムが崩れ続けるといろいろと不安定になるんだよね。
そういうのもだいぶ減ったと思います。
その本には「あと1時間寝れば、数時間分の力が手に入る」とも書いてありました(エッセンシャル思考という本です)。
自分の今までの失敗を考えると、そのとおりだなと思えました。
確かに上の引用にも「最低でも」って書いてあったよね。
NHKのガッテン!(ためしてガッテン)の
このページではこんなふうに書いてあります。
十分のようで足りてなかった睡眠時間
普段の睡眠時間は7時間で十分に眠れていると感じているガッテンボーイに、光や音が完全に遮断された部屋で6日間過ごしてもらいました。
すると初日はなんと11時間超え、その後徐々に減っていき最終日はおよそ8時間半の睡眠時間となりました。
国立精神・神経医療研究センターでは20代の被験者15人が9日間、閉鎖空間に入るという実験を行いました。すると実験前7時間半だった平均睡眠時間が同じく8時間半に延長することが分かりました。
つまり8時間半が本来、体が必要としている睡眠時間で、普段は必要睡眠時間よりも一時間短い「潜在的睡眠不足」状態だったことが判明したのです。
潜在的睡眠不足に気づく方法は、休日に遅く起きてしまういわゆる「週末の寝だめ」。平日より3時間を超えて寝だめをしてしまう場合は、普段の睡眠が足りてない証拠。寝だめをしなくてすむように日々の睡眠を増やすことが大切です。
※一般に「寝だめ」と言われますが睡眠を貯めることはできず、実際には睡眠の負債を返済している行為です。
糖尿病の特集の中の一部ですが、また驚きました。
ちなみにガッテンの
別のページにはこんな記述もあります。
今回おすすめしたいのは、最低でも6時間しっかりと睡眠をとる事。しっかり寝ると体が脂肪を燃焼するモードに切り替わります。
寝る前に食事をするのは要注意!脂肪がへりにくくなります!
ね?ダイエットにも効くと。
そういうことみたいです。
つまり、7時に起きるなら23時には寝て、8時間は睡眠時間を確保するといいんじゃないかなってことです。
試験前日も徹夜するより寝たほうがいいってよく聞くし、俺も疑ってたけど、たしかにそうなんだろうなって今は思います。
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ちなみにこの本にはやる気の出し方についてのページもあります。
「やる気」を生み出す脳の場所があるんですよ。
側坐核(そくざかく)と言いまして、この神経細胞が活動すればやる気がでるのです。
(海馬(新潮文庫), p.207)
どうすれば活動をはじめるかというと、ある程度の刺激が来た時だけです。
つまり、「刺激が与えられるとさらに活動してくれる」ということでして・・
やる気がない場合でもやりはじめるしかない、ということなんですね。
そのかわり、一度はじめると、やっていうるちに側坐核が自己興奮してきて、集中力が高まって気分が乗ってくる。
ところが、側坐核の神経細胞はやっかいなことに、なかなか活動してくれないのです。
また、「やりはじめる前に、やる気がないのは当然なのですか?」という質問に対して
はい。
やってないから、やる気が出なくて当たり前です。
この現象は「作業興奮」と呼ばれています。
掃除をやりはじめるまでは面倒くさいのに、一度掃除に取りかかればハマってしまって、気づいたら部屋がすっかりきれいになっていた、などという経験は誰にでもあると思います。
行動を開始してしまえば、側坐核がそれなりの行動を取ってくれるから。
ということが書いてあります。
もっと手軽にやる気出させてくれよ!って思うかもしれないけど、上の掃除の例とかみんな実感があるからあんまり反論できないよね。
だから「9時になったら始めよう」パターンは基本アウトです。
勉強しなきゃなって思った瞬間、その瞬間に英単語1個だけ覚える、数学一問だけ解く、というふうにするの。
休みたかったら1個覚えてからにしようとする。
先に休んでもやる気は出ないからね。
1個覚えたらほんとに休んでもいい。
だけど、一個やったらもうちょっとやろうかなと思うときも多いはずです。
側坐核だね。
それに、パッと(1分だけでもいいから)机の前に座る回数が増えると、机に向かう抵抗感がなくなってきます。
机に行くまでがめんどくさいんだよね。
めんどくさいって思ったときの「めんど」くらいでとりあえず机に行ってみるようにすると、いわゆる習慣のちからが働くようになってくるはずです。
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またやる気についての記述がもう一つあります。
達成感という快楽をいかに味わうかと言うと、「目標は大きく」ではなく、「目標は小刻みに」と心がけるほうがうまくいくようです。
これも集中力に関する本にはだいたい書いてあることです。
勉強だったら「数学のワークを終わらせる!!!」とかじゃなくて、「今日3ページやる」とか「20分で1ページやる」とかって決めるということ。
まるごとの予定じゃなくて、分割して小分けにしてあげると、その分達成感を感じる回数が増えてやる気も出るということです。
またこれも「予定の立て方と英数以外の勉強法(ワークの使い方2)」で話したけど、キッチンタイマーを使うのがいいです。
制限時間があると、単純に燃えるんだよね。好きじゃない科目だとしても。
そういうゲーム性みたいなのを取り入れることは結構大切です。
楽しいほうが続きやすいもんね。
小分けにしたやること(例えばワーク1ページ、英単語暗記10個)に対して、自分でギリギリできないと思うくらいの時間を設定します。
長すぎる制限時間も短すぎる制限時間もだめ。ギリギリ間に合わないくらいの時間設定にする。
5分かかるなと思ったら4分とか4分半とかにする。自分の実力よりも1段階上にする。
そうすると燃えやすいです。やってて楽しくなりやすいです。
ギリギリだと、だらだらする暇がないから集中力も高くなりがち。
(だらだらしてるときにマンガに目がいって読んじゃったり机の汚さが気になって掃除したりしちゃうんだよね)
さらに自分のかかる時間を予想していくことで、自分の実力が正確に把握できるようになっていきます。
これもとっても大切。
キッチンタイマーは机の上においておくとこれからかなり使えるので、安いのでいいから用意してください。
毎回台所から持ってくるのはめんどくさがりにはできないからね。
スマホのタイマー機能はメールとかいろいろ見ちゃうから使えません。
あとはね、茂木健一郎さんが言ってたんじゃないかなと思うんだけど、キリの悪いところでやめるというのもやる気を出すコツです。
(ちなみにパッと机に向かうというのも茂木さんがSNSで話していたことだったはずです)
みんな大体キリのいいところまでやろうとするんだよね。
そうすると次にやるのが「完全に新しいところ」になるでしょ。
そうするとめんどくさくなっちゃうの。
ドラマを録画したときも、1話目が面白かったドラマの第2話と、まだ見てないドラマの第1話なら、前者の第2話のほうが早く見たくなるよね。
もしかしたら見てないほうの第1話のほうが面白いとしても!
続きが気になる状態っていうのは、やる気を出しやすいっていうことです。
だからあえてキリの悪い中途半端なところでやめることで、その途中が気になった状態から始められるということ。
ワークとかも章の最後の1ページとか最後の2問とか残してやめちゃえば、そこから始めてそのまま新しいところに入れるはずです。
キッチンタイマーとキリの悪いところでやめるのを両方備えたような方法が、結構有名なポモドーロ・テクニックです。
ポモドーロ・テクニック
25分の集中と5分の休憩を繰り返すというもの。
「もう少しやりたかった」というタイミングで休憩に入るため、再開後は楽に集中状態に戻れる。
この方法、僕にはかなり役立ちました。
90分とか、短くても60分が最小単位だと思っていたので、25分は「あっという間」と思うくらいすぐに終わるんです。
5分の休憩も、トイレ行って水飲んで一息ついたらほぼ終わりなんだけど、それがいいクッションになるんだよね。
これを繰り返して慣れていったら、タイマーなしでもパッと集中しやすくなります。
やる気がなくて困ってる人は、とりあえずキッチンタイマーを手に入れよう。
そんで目の前の一個(小刻みなやること)をとりあえずやってみよう。
自分でギリギリの時間を決めてもいいし、25分でもいいし。
一歩出せれば、ノリでそのまま進めちゃったりするからね。
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ちなみに記憶に関しては、こんな話もあります。
【海馬に血潮がたぎる】
20分の中程度の運動を行うと、その後1時間にわたって海馬の血流が特異的に増えるそうです。
運動すると海馬(記憶)にいいってことだね。
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勉強できようサイトはほぼ自分が経験してきたことで書いています。
だけどこのページに書いたことは僕もずっと悩んできたことで、ずっとヒントを求めていました。
だからここは引用多めにしてみんなにもヒントをおすそわけです。
睡眠とやる気で困ってる人はたぶん超多いはずだからね。
(引用については、わかりやすいように若干の抜粋をしています。気になる人は本を読んでみてください)
最後にもう一冊紹介しておきます。これも文庫だね。
「海馬」の池谷裕二さんの、より新しくて、より学習について書かれた本です。
ちょっとね。タイトルがダサいというかわかりやすすぎるんだけど、中身はしっかり。
さっきのレミネセンスのことから、それを考慮した1日のスケジュール案なんかも載っています。
本屋に行って、文庫コーナーに行って、新潮文庫(しんちょうぶんこ、文庫で一番多い)のところに行けばあると思うよ。
ちょっと空腹のほうが集中しやすいとか、ちょっと寒いくらいのほうが集中しやすいとか、歩きながらもいいとか、そんなことも書いてあります。
(あるテレビ番組では少し暑いか少し寒いと集中力アップとやっていました)
勉強というか「やり方」についての話だから、仕事や他のことにも使えるはずです。
このサイトでも勉強の「仕方」を考えていこうってずっと言ってたもんね。
仕方が分かれば、科目が変わってもある程度できるはずです。
本が苦手で、もっと軽い感じのほうがいいっていう場合は「海馬」がやっぱりおすすめかな。
海馬はちゃんと読み物だからいいけど、こういう「集中法」みたいな本は何冊も読まなくていいです。
だいたい同じこと書いてあるしね。俺は3冊くらい読んじゃったけど。
そんなの読んでる暇あったらとりあえず始めるのも手。
読むのは困ったらでもいいからね。
ということで。
練習と睡眠とやる気のおはなしでした。