テストで点が取れない、成績が上がらない、と思ってる人の中には、「ちゃんとやってるのに」と思ってる人もたくさんいるはずです。
「ちゃんと」授業受けてるのに
「ちゃんと」ノート取ってるのに
「ちゃんと」テスト勉強してるのに
こんなふうにです。
ちゃんとやってる→なのにだめ。
こういうのが続くと何を疑うようになるか、分かるかな。
それは自分の能力です。
「ああ自分は頭が悪いんだ」「ああ自分はダメな人間なんだ」「自分に勉強は向いてないんだ」「っていうか勉強嫌いだし」って思うようになります。
まさにそう思ってる人、そう思い始めてる人もいるんじゃないかな。
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でも自分の能力を疑う前に、他に疑ってほしいところがあります。
それは「ちゃんと」というところ。
ちゃんとやってるのに伸びない。
その「ちゃんと」自体が間違ってる、って考えてみようよ。
そんなことない!
だって居眠りもお喋りもしないで、黒板も全部ノートに書いて色も使って、テスト勉強だって2週間も前からしてるもん!
そういう反論もあるかもしれません。
じゃあここでちょっと例え話ね。
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■スタート地点からゴール地点までの50メートルをなるべく早く進んでください。
50メートルの道のりには「森のコース」と「アスファルトで舗装された道路のコース」があります。
どの道をどのように進んでも構いません。
「自転車」が用意してあります。使用しても構いません。
制限時間は1時間。
こういうルールの競技があったとします。
「森の道」を通っても「舗装路(ほそうろ:整備された道路)」を通ってもよくて、なるべく早くゴールすればいいんだよね。
君ならどうしますか。
まあ道路を進むよね。
走っても10秒で着きます。
自転車使ったらより速いかもね。
でも別に歩いたって、まあ1分でゴールできるはずです。
何このつまらない例え話。って思う?
この例え話が何をイメージしてるか分かるかな。
もちろんテスト勉強などをイメージしている例え話です。
似た問題はこんなの。
■2週間後にあるテストでなるべく高い点数を取ってください。
どこをどのように進めても構いません。
制限時間は2週間。
これが元のイメージです。似てるって分かるかな。
じゃあここでね、さっきの例え話でこう答える人がいたらどう思う?
私は楽をしないでちゃんと森を通っていきました。
便利な道具があったんでちゃんと自転車も使いました。
森に入ってすぐに自転車がパンクしちゃって、そのとき枝が腕に刺さってケガしちゃって、ちょっと泣いたけど、でもその自転車を引きずって森の中を頑張って進みました。
ほんと森が超茂ってて、木の幹がこんなに太くて、自転車をいちいち持ち上げなきゃいけなくて超大変で。
でも制限時間ギリギリまで諦めないで頑張りました。
結局10メートルしか進めなかったけど、でもちゃんと頑張ったんで、この反省を次に活かそうと思います。
どう思うかな。
なんか言い訳っぽいというか、そんな無駄な頑張りする必要あった?って思うよね。
え? 別に森に入んなくても、道路進めばよかったんじゃない?って。
でもなぜか、テスト勉強のことになると、似たような答えをする人がいるんです。
私はまず、今回こそは頑張りたかったんで、教科書もプリントもワークも全部やることにしました。
教科書は20ページ、プリント12枚、ワーク40ページもあって本当に大変でした。
土曜日を全部その科目に使っても教科書3ページ分、プリント2枚にワークは6ページしか進みませんでした。
もう本当大変で。部活もテスト前だけどミーティングとかもあって。だから全然間に合わなくて。
でも諦めないで当日ギリギリまで頑張りました。
結局点数は52点。しかもこの科目に集中したから他の科目は結構悪い点数でした。
でもちゃんと頑張ったんで、この反省を次に活かそうと思います。
こんなふうに、さっきの森と道路の問題だと絶対にしないやり方を、テスト勉強になるとやってしまう人がたくさんいます。
結構似たようなこと思ったことのある人も多いんじゃないかな。
この人は確かに「ちゃんと」やろうとしてたよね。
教科書もプリントもワークも部活も全部。2週間前からやって土曜日はずっとその科目勉強して。
だけど時間が明らかにたりてない。
何かが明らかにうまくいってない。
明らかなキャパオーバー(キャパシティ(入る容量)をオーバー(超えている))。
だけど「ちゃんと」やってるから、「一生懸命」やってるから、自分は悪くないと思ってるんだよね。
でもそれでは、森に自転車を持って行く人と同じです。
一生懸命やってないとは思ってないんです。
頑張ろうとしてるのは知ってるの。
だけどやり方をちょっとは工夫しないと、時間も間に合わない、点数も取れないで、どうしたらいいかもっと分かんなくなっていきます。
一生懸命やってるのに何度も失敗して困ってると、どうなるかはさっき話したよね。
原因は「自分」だ、と思っちゃうんだ。
そう思う前に、やり方工夫しようよ。
まだやり方はあるんです。
ちゃんとやるっていうのは、茂った森を進むってことじゃないの。
道路を通って楽をしたって、全然構わない。
頑張ってるのに伸びない人の中には、「頑張り方」を疑わない人が多いのは事実です。
頑張ってるんだから、ちゃんとしてるんだから、できないはずがないと思っちゃうんだよね。
だけどできないから困っていたはずです。
うまく楽をするってことを、もっと考えて勉強してみよう。
裏技使えってことじゃないよ。
もっと素直にやる方法がたくさんあるんだよということ。
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次のページとその次のページで、その具体的な方法を少し紹介します。
自分を責めないで、やり方で攻めましょう。