9.2. 1次関数(式の決定)


 前のページ(9.1. 1次関数(グラフの描き方、読み取り方))


前のページで「式からグラフ」「グラフから式」の両方をやりました。
ここは何より大事。
苦手な人はたぶんここが苦手。
逆を言えば、ここさえできれば関数は結構簡単です。
マスターしておいでね。

そしてこのページでは式の決定をやります。
前のページができてれば難しくはないよ。
なのに苦手な人多いからね。
こんなの余裕にしましょう。

まず。
1次関数ってなんだっけ。


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1次関数は

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この式です。「y=ax+b」です。
直線の式とか、他にも言い方はあるけどね。
これはすぐに出ないとアウト。

この中の「aが傾き」「bが切片」だったね。

さて。
では問題です。

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直線ってことは1次関数だから
「y=ax+b」だね。

んで傾きが3・・a=3ってことか。
切片が-4だと・・b=-4ってことだ。

なんだこれ。

y=ax+bの、
a=3、b=-4って

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これじゃん。
なめた問題でした。
でもこれが基本です。
簡単そうでしょ。


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次ね。

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さっきよりはめんどくさそうだね。

さっきの問題はあんまりに簡単だったので書かなかったけど、
この「式の決定」問題は必ず文字だけの式を、まず書いてください。

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なんでかの説明は後でします。
そしたら次はどうしようか。

前のページで書いたけど、
y=ax+bで大切な文字はなんだったっけ。

それは「a」と「b」です。
前のページちゃんとやってたらわかるけど、
この2つの文字が直線の形を決めるもんね。
だからy=ax+bって見たら
y=x+って光って見えるくらいにしといてください。

だからさっきの問題で、
大切なのは「傾きが2」という情報です。
次にそれだけを書きます。

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ここで「点(1,-1)」について考えます。
これも前のページでやったけど、座標だよね。
つまりは、(x,y)です。

だから、xとyに代入しちゃう。

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あとは計算です。

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これでbが出ました。
ここまででaもbもわかったので、最終的な答えは

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こうなるわけです。


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んで、大体の人が、
最初からxもyもaも代入するんです。
y=ax+bも書かないし。

どうなるかやってみます。

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いや答え出んじゃん!って思うかもしれないけど、

 ①傾きだけを入れてる式を書いてないから
  bが出たあとに「y=2x+b」を頭の中で作ってる
  (頭の中だと計算ミスしやすい)

 ②最初にy=ax+bって書いてないから、
  代入の段階で計算ミスが起こりやすい

などが危ない理由として挙げられます。

計算ミスはなるべくなくしたほうがいいに決まってるよね。
このページは何度も紹介してるけど、
計算ミスをなくす「ためのやり方」を組みこまないといけない。
ただ気をつけるだけじゃミスるんです。
入試は1問5点とか。
3問間違えただけで15点の減点です。
「本当は取れたのに」って、
受験した学校に言ってもだめだよね。

もう1回さっきの解き方を見てみます。

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慣れてない人は「長い=めんどくさそう」って思うよね。
でも慣れてない人は、さっきの悪い例の方がやりにくいんです。

だっていい例では、

 ①まずy=ax+bって書いてるから余裕
 ②とりあえず大切な傾きだけ代入
 ③(1,-1)を代入ね、と読みながら書く
  (読みながら書くからあまり時間はかからない)
 ④間違えないようにまずは代入だけした式
 ⑤計算
 ⑥出てきたbを②を見ながら代入

って、めっちゃ楽してるんです。
悪い例は頭をすっごく使います。
めんどくさいし間違えやすい。最悪です。

このやり方で「楽」だと思えるようになろうね。


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でもだからって、
最初に「y=ax+b」って宣言するのは、
やらなくてよくない?
って思うかな。

これにはもう1つ理由があって、
それは「1次関数だけをやってるのは今だけ」ということ。
中学の間だけでも、比例・反比例・1次関数・2次関数と
4種類の関数を扱うんです。

その単元のときはいいかもしれないけど、
ごちゃまぜになったらだいたい間違えます。
というか久々に1次関数とかやると、
やべ、あれ?式なんだっけってなります。
普段から書いてたら忘れにくいし。
書いといたほうがお得です。


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ほい雑談おしまい。
それじゃあ続いての問題です。

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さっきと似てるような似てないような問題文。
とりあえず「y=ax+b」です。

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そしたら、
問題文の中で大切なのは
切片の、bだよね。

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んで、点を代入。

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axのxに2を代入したときは
「a2」ではなくて「2a」にします。

あとは計算。

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はい余裕。
ってかさっきと同じ式だったね。


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じゃあ最後の問題です。

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こういう問題です。

あれ。aもbもないね。
xとyだけです。
どうやら「2点」通ってるっぽいね。

このパターンの問題は

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こんなふうに書き換えられても同じ意味です。

まずはいつもと同じ。
y=ax+bって書きます。

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aとbがないんだから仕方ないよね。
それぞれ、y=ax+bに代入します。

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なんとなく予想つくかな。
これは連立方程式です。
(苦手な人は5.1. 連立方程式の基本で余裕にしてね!)

解きます。

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とこんな感じです。
この解き方全部5.1.で解説してるからね。
最後の答え方が「a=2、b=-3」
ではないことに注意してください。
これは連立がメインじゃなくて、
式の決定の問題だったよね。

2点求まってるときはこんな解き方です。
というか!
2点が求まってるなら通る直線を求められる、ということです。
(わかるかな?後々大切よ。)

ってか、
この問題も同じ式だったね。


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意外と難しくなかったでしょ。
こんなもんです。
ただ途中で注意したけど、
ショートカットしすぎないようにだけは注意してください。
定期試験は乗りこえられても、
忘れちゃったらまた受験のときに勉強し直さないとだからね。


演習問題
(あ、ヒントは「直線の傾き=変化の割合」です)

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 次のページ(9.3. 1次関数(面積))
 もくじ


答え

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by dekiyosite | 2015-08-19 12:34 | 数学