消しゴムの使い方


 前のページ(本当の楽ってなに)


 前のページのまとめ!
 ●いつも丁寧に、一定に(そうすると頭は常に余裕がある、一定だから問題によってやり方は変わらない)
 ●書いたほうが楽、と思えたら勉強が上手になってきてる証拠


 前のページでは、書くことをめんどくさがってその場限りの楽をするのは「本当の楽」ではないよという話をしました。
 このページでは消しゴムの使い方について触れます。

 消しゴムの使い方なんて指定されるもんじゃない!と思うよね。
 本当にそう。そうなんだけど、下手な人がたくさんいるんだよなー。ノートの使い方、とも言えるんだけど、このページではそんな話をします。

 ノートがきれいな人は汚いよりいいです。だけどノートがきれいな「だけ」の人もいます。
 これが結構厄介。勉強してる気になってるからね。
 
 ノートがきれいなことはいいこと。これは本当。
 だけど、何のためにノートに書くのかを考えてみてね。
 きれいに書くため?
 ちがうでしょ。
 
 ノートには「理解するため」に書くんです。
 きれいに書くのは「その方が分かりやすいから」であって、きれいに書くためじゃないです。
 ノートをきれいに書くことが第一、という人のほとんど、あんまり勉強が得意じゃない気がするんだなぁ。こういうことを言うと「でも僕は違うもん!」とか言ったりするんだよね。残念だけど苦手な人ほど。

 じゃあ消しゴムの話ね。
 間違いを消しゴムで消したほうが、きれいなノートになります。
 まあ、見やすいノートになります。

 だけどそのノート、見直す?
 まとめノートでもない限りあんまり見返さないでしょ。

 要は消しゴム使い過ぎなんです。
 そのうちの9割くらい消さなくてもいいです。(割合がわからない人はまた後で教えます)

 なぜか。
 実践例を見てみましょう。

消しゴムの使い方_c0357199_05474020.jpeg


 移項(これも分からない人は後で教えます)は、イコールの逆側に行くときは符号が変わるんだったよね。1行目から2行目で符号が変わるはずの「+4x」が、そのままだよね。
 まあ、ケアレスミスってやつです。
 これ消しゴムで消して(3行目以下を全部消して、2行目の符号を書き直して)やり直すでしょ。

 ・・それ何の意味があるの?

 移項を間違えたのって、書き間違えじゃないんだよ。移項のミスは、前の行から次の行に行くその間で生まれてるんです。
 符号を書き間違えたんじゃない。移項でミスをしたんです。じゃあ2行目の符号を「+」から「-」に書き直したって、結局移項の練習にはならないじゃない。その問題には○が付くかもしれないけど、必ず同じ間違いをします。できそうな問題はできるように、だったよね。
 この問題は、間違いはそのままで(消しゴムで全部消したりもしない。時間ももったいない)その隣かその下に最初からやり直すべきだったんです。

消しゴムの使い方_c0357199_05474060.jpeg


 こんな感じでいいんです。消しゴム使わなくていいよ。
 じゃあ英語でも試してみよう。

 消しゴムの使い方_c0357199_05493609.jpeg


 これはどこが間違えてるかわかるかな。

 三単現の「s」の付け忘れがあるよね(これもわからない人は後でやります)。この付け忘れに気づいたら、likeの後ろに「s」をねじ込むでしょ。
 この場合は消しゴムは使わないけどさー。それも何か意味がある?

 この間違いは「She」から始まっているんです。「She」って書いてるのに、無自覚でそのまま「like」って書いたことが間違いなの。
 「She」には三単現の「s」を付けるぞ!っていう感覚がまだ身に付いてないんです。それを付けようとしなければ必ずまた同じミスをします。
 だったら「s」だけポンっと付け足してもしょうがないじゃない。

 この場合は、間違えたらその下に2、3回すぐ書いちゃうんです。

消しゴムの使い方_c0357199_05493652.jpeg

 こんな感じでね。

 前のページでは、丁寧に、一定に、途中式を「いつも」書くことについて。
 このページでは「きれい」よりも「理解」が優先だよということについて触れました。

 友達のノート、5人分くらい見せてもらってみ?
 色をたっくさん使って、きれい(っぽい)ノートの生徒はあんまり勉強得意じゃなかったりするよ。高得点取ってる友達のノートは、意外とごちゃごちゃ書き込みがあったりするよ。出来る人ほど途中式を書いてるはず。
 (もちろん時々すごい天才もいるし、例外はあるんだけどね)

 後でやる数学の平方根では、ノートが素因数分解の計算でいっぱいになります。他の単元ではひっ算ですき間がいっぱいになることもある。
 でもそんなのいちいち消してたら、次の問題解くのが遅くなります。次の問題も、その次の問題も遅くなってたら、結局練習量でぐっと負けるということです。勉強って新しいことを学ぶんだから、定着にはそりゃあ「量」も大切です。
 というか何で消すのさ。そのノートのそのページ、絶対見返さないよ。

 英語でわからない単語があったら、ノートの上の空いてるスペースに5回とか「すぐに」練習するんだよ。

消しゴムの使い方_c0357199_04485108.jpeg

 単語ノートとかを別に作ってる人は(得意な人もいるけど)得意にならないことが多いです。
 「すぐ」じゃないし、その場で覚えようとしてないからです。

 きれいさばかり求めてちゃだめです。
 理解することが優先。

 高校のときの先生でこういうことを言っている先生がいました。
 「ノートをぎゅうぎゅうに使ったからって1年でせいぜいノート1冊分。たった100円だぞ」
 100円だって大切なお金だ!もったいない!って言うかもね。
 でも理解しなかったら、定着しなかったら、結局全部無駄なんです。


 このページのまとめ!
 ●基本消しゴム使い過ぎ。ノートにはきれいに書くためじゃない。「理解するため」に書く。
 ●間違えたら消さないで隣に1から書き直し。メモ書きもいちいち消さない。

 
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by dekiyosite | 2015-03-20 17:22 | 考え方